菜箸亭●本日のおススメ

アナログ親父のMUSICLIFE & GOODS

地獄の軍団とリイシュー - KISS

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MONSTER[地獄の獣神]をamazonで見ているうちに、

これもつい注文してしまった。

 

代表的な曲が多く収録されているアルバムだけに、

それぞれの曲はリミックスされる機会も多く、

古くは『ダブル・プラチナム』など多数のバージョンも耳にしているし、

リマスター盤も出ているので、今更という感じで買うつもりは無かった。

 

しかし、決め手になったのはジャケットだ。

後に『ラブ・ガン』のジャケットも手掛ける作家ケン・ケリーの

別バージョンのオリジナル画?そんなモノがあったとは知らなかった。

 

何が違うって、まずメンバーのコスチュームが違う。

発注した時の資料は『ALIVE!』のものだったのだろうが、

このアルバム発表時にコスチュームを一新する事になり、

描き直して、先の原画はお蔵入りとなったという事だろうか。

双方に入っているサインを比較すると、字体が違うし、わざわざ「75」と

記されているので、これは今回追加されたものかも知れない。

バックの破壊され、燃やされ、廃墟になった街も違う。

メンバーが乗っている瓦礫が無く、宙に浮いている感じだし、

色は全体的に赤味が強い。当時と今の印刷技術の違いだろうか、

今回の方が筆致がなめらかで美しく見える。

ポーズやアングルはエースの顔の向き以外ほぼ同じなので、

同じ下絵から書き直していると見るが、メンバーの表情も今回の方が良い。

この画像をamazonの拡大画像で見ていて、買うしかない!

という気になってしまった。

まあ、輸入盤なので1,400円程だ。しかも購入数日後には

1,000円に値下がりしているではないか!安すぎる!

これでは10月に日本盤が出ても売れないぞ(笑)。

 

中身の方は、ボブ・エズリン本気のリミックスと概ね好評のようだが、

ずっとKISSの変遷を聴いて来た身としては、さほど新たな感動は無かった。

もちろん音は良くなっているのだろうが、むしろ、

『デトロイト・ロック・シティ』の「Get Up! Get Down!」の数箇所追加や、

最終ミックスで消されたという『ベス』の2番と3番の間の♪ア〜ア〜という

歌声の追加(もう一度最後で出てくるからいらないだろう)などが気になり、

それぞれの楽器の音は際立っているものの、個人的にはやはり

オリジナルの方が良いと再認識した次第だ。

『燃えたぎる血気』のイントロの音とびについては、初めて聴いた時は

気にならなかったが、注意して聴くうちに気になって仕方がなくなってきた。

まあ、元を知らなければ気付かないかも知れないレベルだとは思うが。

 

しかし、もう35年も現役を続けている彼らの代表作が

1976年発表のこのアルバムと言われ続けるのもどうだろう。

確かにジーンもポールも、もう高齢でライブでは絶頂期の様な声の張りも、

激しいアクションも望めない。

特にここ数年のポールのノドは心配の種だったから、

正直まだ新曲が聴けるとは思っていなかった。

これだけ長くバンドを続けているのに、新作ではさらに進化し、

プロデューサーも外部ソングライターも使わずバンドの力で原点に立ち返ったという

次回作に期待せずにはいられない。そしてリード・シングル『Hell or Hallelujah』は

期待を抱かせるだけの輝きを放っている。

何が言いたいか?それは、ジーンとポールの言葉を借りればこうだ。

 『キッスの最高傑作?そりゃあもちろん、次のアルバムさ!』

Destroyer-Resurrected

Destroyer-Resurrected